ACSの勉強と構築する機会があったので、
今回はACS ver4.xとver5.xの違いを説明したいと思います。
ver4とver5の大きな違いは、
認証モデルとレプリケーションの違いです。
認証モデル
ユーザ・グループベースから、ルールベースへと変更になりました。
こちらが最も大きな変更です。
ユーザ・グループベース
ユーザ・グループベースを図で説明するとこのような感じ。
まず、ユーザは必ずグループに所属する必要があります。
ユーザが一つしかない場合もグループを作る必要があります。
そして、一つのグループに対して、一つの認証ポリシーを割り当てることができます。
つまり、ユーザ・グループベースの認証モデルでは、
ユーザ・グループに対する認証ポリシーは必ず一つだけということになります。
ルールベース
次に、ルールベースを図で説明するとこのような感じ。
ルールを作成して、そこにユーザ・グループや条件を設定していきます。
ファイアウォールのポリシーのような構成となっています。
これにより、一つのユーザ・グループに対して、
複数の認証ポリシーを設定できるようになり、ver4より柔軟な設定が可能となります。
レプリケーション
そして、もう一つ違いとしては「レプリケーション」です。
レプリケーションとは、日本語訳すると「複製」という意味で、
2台以上のACSで冗長化することを言います。
その挙動がver4とver5では異なるので説明したいと思います。
まず、ver4は以下です。
・データベースの同期内容はオプションである
・手動またはスケジュールに従い同期する
・セカンダリサーバが別のACSサーバへプッシュ同期(カスケードレプリケーション)
・TACACS+ パスワードの変更はプライマリサーバでのみ可能
次に、ver5は以下です。
・プライマリサーバとセカンダリサーバのデータベースを完全同期
・設定変更時、即座にリアルタイム同期
・設定の変更内容のみの差分同期
・プライマリサーバでのみ設定変更が可能
比べてみるとわかりますが、ver5のほうが単純化、
自動化されたことがわかると思います。
設定も細かなオプション設定はなく、プライマリサーバを登録するのみとなります。
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