IT業界の構造とインフラエンジニアのキャリアパス

コラム


今回はインフラエンジニアのキャリアパスについて。

まず、IT業界の構造について書いて、
インフラエンジニアとしての身の振りを考えていきたいと思います。

ネットワークエンジニアに限らないと思いますが、
私が見てきた、ネットワーク・サーバなどのインフラエンジニアのキャリアステップとしては、何種類かに分けれらます。

 

IT業界の構造

 

IT業界について

IT業界といっても大きく2種類に分別されると思われます。


・SIer(外資メーカ、大手ベンダ、中小SIer・SES会社)
・自社開発のWeb会社(LINE・メルカリ・アメーバなど、ゲーム系、スタートアップ企業)

私はSIer系で働いているので、SIer前提で記載していきます。

また、昨今、SIerは儲からない、廃れていくなどと言われていますが、
確かに、工数を積んで工数あたりの単価で売り上げを作っていくので、
ゲーム・クラウドのようなサービス提供型、サブスクリプションで継続収入を得るような
タイプのビジネスモデルと比べると利益率は低い傾向にあります。

しかし、これらSIerの仕事がなくなることは全体にありません。


製造業などの会社が、SIerへの外部発注から、自社でエンジニアを抱えて内製化していくように、構造は変わっていく可性はありますが、仕事は無くならないので、SIerで力をつけていけば将来食いぶちに困るようなことは間違いなくないと
思っています。


ただし、技術は変化していくので最新技術のキャッチアップや新技術に対してもポジティブな心持ちは必要かと思います。
一方で、初めてのことに対するリスク管理は重要になってきます。

 

SIerとは

さて、つらつらと書いていきましたが、
まずそもそもSIerとはどういった企業に当たるでしょうか。

外資メーカ(シスコ、VM、Dell EMC、Oracle、)
大手ベンダ(NTT、ソフトバンク、KDDI、富士通、NEC、日立、アクセンチュア、伊藤忠テクノソリューションズ、ネットワンシステムズ)
中小企業、SES会社(パーソルテンプスタッフ、VSN)


ベンダの中にはユーザ系とかメーカ系とか独立系とか
いろいろありますが、ややこしいので今回は省きます。
コンサル会社もIT系部門を持っているところは、
コンサルだけでなく研究開発・構築・保守・運用部門を持っていたりして、
多くの人はエンジニアだったりするのでベンダに含めておきました。。。

SES会社というのはいわゆる技術派遣をメインとしている会社です。
中小のSIerも実態は技術派遣だったりするケースが多いのでまとめました。
(SES・・・System Engineering Service)

 

SIerの利益構造

さて、業界の各企業グループについて色々と書いていきましたが、
次に構造についてです。

よくITゼネコンと揶揄されています。下記の図がわかりやすいでしょう。
これが本当の実態であって、そのため中小のSIerとしてはなかなか給料は上がらないでしょうし、キャリアパスとして、上位にステップアップしていくことがSEにとっては一般的なステップと言えます。

※ただし、あえてSES会社で派遣エンジニアとしてキャリを積む人もいますし、
(フリーランスとして派遣契約する人も同様)
中小企業で出世してマネジメントに移行していく人もいるので一概には言えません。

ITzenekon

(参照:https://se-survival.com/general-contractor/)

エンドユーザは元請企業と契約し、元請企業が受けた開発業務は下の階層へと割り振られていきます。各階層でピンハネされていくわけですから、下の階層で請け負った会社ほど利益が圧迫されていきます。
また、下の階層の会社から、派遣契約で上の方の階層の会社で業務を行うケースも多々あります。


ただでさえ、SIer特有の工数×単価で売り上げを作るビジネスモデルは、
利益率が低いにもかかわらず、下の方の階層で開発を請け負っている会社はかなり厳しいです。

とはいっても、大手ベンダはよくわかっているので、クラウド系サービスを開発したり、
色々とビジネス開発しているところがほとんどです。

そのような会社は好感が持てますが、

中小企業で未だに派遣ビジネス、孫請け的な受託開発に固執しているとヤバイなと思います。
しかしながら、自社開発などにコストをかけることもできないので、どうしようもない状況の会社は山ほどあると思います。

 

インフラエンジニアの逆襲

上記の構造はインフラ系であっても、開発系であっても同様の構造とおもいます。
しかしながら、仕事内容の特性上、インフラエンジニアは開発系に比べると案件規模が小さいです。
大企業でもSE工数としては1000万未満の案件が大多数を占めます。

ただし、インフラ屋は機器を販売するので、売り上げは大きくなります。
1億の案件でもSE費用は1000万だったりします。


そうなると、少人数でプロジェクトを回すので、必然と一人あたりの役割が大きくなります。
1年生のときに、開発ではプログラマでしかなかったところ、
設計から任されたりなど色々やることになります。一人で作業に行くことなど当たり前で、
2年目には客先の打ち合わせに営業とSE自分一人という構成で行くこともあるかもしれません。


そのため、中小企業に入社後、
派遣として大企業で働いた5年後、10年後には、
大企業へ転職できた、というケースがぼちぼちあります。

そんな簡単なものではないと思いますが、
開発系と比べるとキャリアアップは早いと思われます。

 

インフラエンジニアのキャリアプラン

インフラエンジニアとしては、以下の最終的なキャリアが考えられます。
私は現段階ではとりあえずPMと一応コンサルも経験してます。

プロジェクトマネージャー・・・一般的に大手SIerで、エンドユーザ相手にプロジェクト管理を実施します。インフラエンジニアの場合は提案から、プレイングマネージャ的役割が求められます。


プリセールスエンジニア・・・メーカ系、ディストリビュータ系企業で自社で取り扱う製品・サービスの販売がメインとなります。営業と一緒に大手SIerなどへ製品・サービスのプレゼン・商談、技術的観点からのサポートなどを行います。外資IT系のSEはほぼこんな感じ


コンサルタント・・・コンサル企業や大手SIerで、エンドユーザへの提案やコンサル業務(RFPの策定など)の請負を行います。


フリーランス・・・インフラエンジニアの場合は個人請負で在宅勤務のようなことはできないと思いますので、派遣がメインとなります。
(AWS、Azureなどのクラウド系の構築、運用などは請け負えるのかも。。)


管理職への昇格・・・基本的にプロジェクトは持たず、メンバの管理や数字の管理、方針策定などに回りますが、プロジェクトのトラブルやメンバが困った際の問題解決能力は重要なように思います。中小企業の場合は管理職でもプロジェクトを持つことがほとんどだと思います。


Web系会社への転職・・・ネットワーク・サーバの技術だけでなく、スクリプトが書けることや、LL言語(Perl、Ruby、Python、PHPなど)のスキルも求められると思われます。コードを書くことが多くなるっぽいです。若いうちに転職しておかないと厳しいかもです。また、一般的に年収は落ちるでしょう。

 

最後に

私は中小のネットワークエンジニアからスタートして、
最初の派遣先で、幸いにもいきなり構築案件に携わることができて、
そのままレールにのって、提案や案件リーダー、コンサルなんかをやるようになって
今では、ほぼ100%元請けの仕事をするような会社に転職しました。

このようなルートを辿ってキャリアアップするインフラエンジニアは結構たくさんいます。

 

ただし、注意しておかないといけないのは、
SESの会社からスタートしても、派遣先ではしっかりと経験を積まないといけません。

運悪く、毎日やることが決まっている運用の案件なんかにアサインされてしまうと、経験が積めないので、早く現場を変えてもらうように意思表示していきましょう。
その際は、ただ主張するだけでなく、資格を取得してやる気をみせることがとても重要となります。

 

 

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